2013年4月17日水曜日

ねこぱんち学園 scene.002 『保健室』

 校庭から直結する保健室では、ゆっくりとした時間が流れていた。
「よい薫りですね……」
 独特な雰囲気の男性ヒューマンが、湯呑みを顔に近づけうっとりとしている。
 その姿はどこか艶かしい……。名は、キラスという。
「そうじゃろ。ナベリウスの奥地で採取された茶葉じゃ。なかなか高価じゃぞい」
 自分の湯呑みにもお茶を注ぎ終えたもう一人の男性ヒューマン。定年間近の
ケイ・シェンである。
「それは楽しみです。値段にそぐわぬ味でないことを祈りますよ」
「ふぉっふぉっふぉ」
 ケイ・シェンが急須を卓上に置き湯呑みを持つと、そのまま一口含んだ。
 それに続いてキラスも一口。
「これは……!!」
「美味じゃな」
 キラスがあまりの美味しさに再び湯呑みを口に運ぶと、なぜか寂しげな視線を
卓上に落とした。
「これでお茶うけがあれば完璧でしたのに……」
「そうじゃのお。職員室になら何かあったかもしれぬが……」
 ケイ・シェンは、間を取るようにゆっくりとお茶をすすった。 
「すっかり忘れておったわい」
 なんともボケ老人である。
 返答に困ったキラスは、お茶を飲むことでその場を濁した。
 しばらくの間これといった会話はなく、落ち着いた雰囲気が保健室を
満たしていた。
 次第に、お茶をすする音が主だった保健室に足音が響くようになる。
 生徒の登校が始まったのだ。
 二人はお茶を楽しみながら外を眺めた。
 玄関口の隣にある保健室から見えるのは、夢や希望にあふれた生徒たち。
「騒がしい季節が始まりましたね」
「ほっほっ。腕がなるわい」
 どこか楽しそうな二人であった。



備考:
http://nidoneru.blogspot.jp/2013/04/blog-post.html
↑設定はこちら

私個人の世界観なので、ご本人様と異なる設定になってしまうかもしれません。
そこら辺はご愛嬌をw
指摘していただければ、出来るだけ寄せます^^

2 件のコメント:

  1. ああ、学校だ・・・!
    そうか、先生は生徒より先に学校にいるんだよね。
    考えてこともなかったので、新鮮だぜw

    まさかの、キラスの兄貴&ケイシェン老という組み合わせwwww
    はじまる。学校が始まるぞー!

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  2. おおww
    キラスとじじ様のコラボ!!

    オネェ具合がいい感じに引き出されてますね!!
    なんか・・・和む~.。゜+.(ミ´▽‘ミ)。+.゜+・

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